東近江市に、再び イヌワシを。

空の王者、イヌワシ。ところが現在、その数は日本国内で急激に減少しています。

イヌワシがかつて暮らしてた森で 再び棲むことができるように、私たちは森づくりを進めていく予定です。

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東近江市は、鈴鹿山脈の一部である深い谷と森を有しています。

そこでは、全国で200ペアほどしかいない天然記念物 ”イヌワシ”のうち、1つがいが生息していました。

イヌワシが昔からこの地域にいたことは、周辺の地名や地元住民の方々の証言から明らかとなっています。

イヌワシもまた、古くから薪炭林の伐採等の森林管理が続く森の中で人々と共に生きてきました。

生態系ピラミッドの頂点にいるイヌワシがいる森は、自然が豊かな場所である証しでした。

しかし、2017年を最後にイヌワシは東近江市から姿を消しました。

 

イヌワシが、数を減らす理由

なぜ、イヌワシはどんどん数を減らしているのか?それは、様々な原因が考えられます。

ハンティング場所の消失

国内での薪炭林の利用が減り、材価が低下したことで手入れされない「放置林」が増えました。そのためイヌワシがハンティングに使用できるような伐採地や草原が激減しました。

エサ動物の減少

放置林が増え、草原や伐採地等が減少することで、エサとなるノウサギ等の小型哺乳類も数を減らしています。

人為的な理由など

その他、繁殖期の過度な接近や営巣地周辺の開発で営巣放棄をしたり、営巣適地が消失することも原因の1つです。

イヌワシが子育てをする際は、幼鳥が巣立つまでに非常に多くのエサを必要とします。子育て時期は警戒心も強く、親自身も生きることに必死なため、途中で営巣放棄することも少なくありません。

プロジェクト協議会の取り組み

東近江市のイヌワシのペアは2017年にいなくなってしまいましたが、2022年には若鳥が目撃されるなど、潜在的にイヌワシが活用できる環境は残っています。そこで私たちは、イヌワシが再び棲める環境を確保するための準備段階として、以下の取り組みを行っています。

生息モニタリング調査

以前イヌワシが生息していた地域での定期的な生息調査や、過去の行動調査・ハンティング記録の整理をしています。

対象地域の森林環境調査

過去にイヌワシが利用していた森林環境の時代ごとの変遷や現状の確認をすることで、将来的に森林管理をしていくための情報を収集しています。

全国会議への参加と情報・意見交換

国内で同じくイヌワシのための環境回復に取り組む5つの団体で、情報共有のための全国ネットワークを発足させました。

空の王者、「イヌワシ」

イヌワシは、生きていくために多種多様な生物や環境が必要です。

イヌワシが棲む森は、すなわち生態系が豊かな場所である証しとなります。

再びイヌワシが東近江市に戻ってきてもらえるように。

私たちは、取り組みを続けていきます。